(前回のつづき)

あれ?と思い始めたのは大学に入ってしばらく経った頃でした。

大学にはたくさんの音楽サークルがあったので、きっとどこかのサークルに「サニーデイ」に繋がる何かが残っていたりするんだろう。

そしてそんなサークルの部室なんかには、きっとあの時感じた青春の片鱗のような空気が漂っていたりするんだろう。

と思った僕は、あらゆる音楽サークルに「たのもうー」と入門を仕掛けてみたのでした。

が、いくら巡ってみてもそれらしき気配がありません。
あれれ?

ちょうどその頃、同じ高校から上京していた音楽好きのOさんという女の子がいました。

高校のときには話したこともなかった彼女とは、上京してから次第に仲良くなっていたので、ある日、サニーデイについて彼女に訊いてみることにしました。

「Oさん、サニーデイって明大でサークルとか入ってたのかな?」
「え?サニーデイはメンバーみんな学校ばらばらで、曽我部さんは明大じゃなくて立教だよ」
「えーー!」

そう実は、テクノボーイのS君が、とある雑誌で「明大」と見たのは、サニーデイが明大に通っていたのではなく、曽我部さんが都内の「明大前」という駅の近くでインタビューを受けていた記事だったのです。。

インターネットもウィキペディアも無かった時代、田舎に広まる情報は伝言ゲームみたいに不確かなもので、僕はサニーデイに憧れて上京したのに、間違えた大学に入ってしまっていたのでした。

以上、恥ずかしくて曽我部さんにもROSEのスタッフのみなさんにもずっと黙っていた秘話でした。

しかし僕はその後、ご縁が会って曽我部さんと出逢うことになります。
その経緯などは、明日のライブの際に。

それでは明日、ROSE RECORDS 10th anniversary 五日目、お待ちしています!