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15年分のライブ納め

東京ではここ数日、冷たい雨が降っています。
僕の故郷では今日初雪が降ったようです。

そしてもうすぐ2013年も終わり。
今年もたくさんの方々に支えて頂いてありがとうございました。

実は2013年のおわりにあわせて、僕は一旦15年暮らした東京を離れることになりました。

2011年に起こった震災以来、自分にできることをずっと探してきて、ある土地でひとつの生き方が見つかりました。
詳しいことはまたあらためてブログのほうに書こうと思いますが、しばらくの間、その生き方に挑戦してみようと思っています。

でも「音楽をつくる」ということは僕にとって息をするのと同じことなので、これからも音楽はつくり続けます。
これからしばらくの間経験する新しい自分の暮らしも、きっと自分のつくる音楽や自分自身にとって貴重な経験になると信じています。

ひとまず明日は移住前の最後の東京ライブです。
東京で過ごした15年間の日々と、お世話になったたくさんの方々に、感謝の気持ちを込めて演奏しようと思います。
まだ少しお席がありますので、ご都合よろしければ遊びにいらしてください。

明日には冷たい雨が真っ白い雪に変わりますように。

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aCae Christmas Live 2013
■日時:2013年12月21日(土)
■会場:品川 La capi
■時間:17:30 open 18:00 start
■料金:2,000円(お茶付き♪)
■チケット予約:Eメール・お電話でご予約下さい。
Email lacapi@east.cts.ne.jp TEL 03-3450-8234
La capi HP :http://www1.cts.ne.jp/~lacapi/
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sketch #3

暮らしの中で聞こえてきた音、思いついた音のスケッチ。
#3をアップしました。



ヴィレッジ


先週末、高知で行われたヴィレッジというイベントに参加させてもらいました。

太陽に照らされた2日間。素敵なお店がたくさん並んで、こどもたちがあちらこちらで木登りをしていて、おとなたちもこどもみたいにどきどきしていて、少し夏みたいな匂いの風が吹いていて、そのあいだを縫うように木漏れ日が揺れていて、なんとなく懐かしいかんじがする、そんなイベントでした。

自分が育った高知という場所にくると僕がいつも感じてたこと。正直それは心地よいものではなくて、うまく言葉にできない罪悪感と、自分の居場所の無さでした。
たぶんそれは今も変わってないけど、ヴィレッジにいるときだけはそんな気持ちも忘れていられたような気がします。

今、高知では強い雨が降ってます。
雨雲たちが雲の切れ間からヴィレッジの動向を偵察していて、閉幕と同時にGoサインを出したんじゃないか、と思えるくらい綿密な梅雨入りです。

ざばざばと降る雨の音を聞きながらピアノを弾いています。
楽しかった日々が過ぎてどうしていいかわからなくなったあと、やっぱりここに戻ってきます。




小雨の週末

小雨の降るバス停でバスを待っていると
「次の31分のバスは大学までいきますか?」と、声をかけられた。

小雨の音と同じくらい静かな声をしたその男性は、小柄な80歳くらいのおじいさんで、ベージュの登山帽とカラフルなグリーンのリュックサックを丁寧に身につけていて、その佇まいがなんとなくチャーミングに思えた。

「31分のバスは別のほうに行くので、33分のバスに乗ればいいですよ」
と僕が答えると、おじいさんはにこやかな一礼を残し、時刻表とにらめっこをしている奥さんと思われる女性のほうに歩いて行った。
そして33分のバスが来て、そのご夫婦と僕は同じバスに乗り来んだ。

大学に向かうこのバスは、その途中で大きな病院の前の停留所で停まる。
だからたぶんご夫婦は、その病院まで行きたくて僕にバスの行き先を訊いていたんだろう。
そう思っていると、案の定、病院の前の停留所でふたりはゆっくりとバスを降りて行った。

でもバスを降りるなり、おじいさんは運転手さんのほうに振り向き
「大学まではここから歩かないといけんですか?」と、また小雨のような声で訊いた。
「いや、大学に行くなら次の停留所ですよ」と運転手さんが答えると、
「ありゃ、うっかりしとった。ここで降りんといけんかと勘違いしとった」と、おじいさんはベージュの帽子を忙しくなで廻しながら、これまでの80余年の人生の中で体験したもっとも酷い失敗談を語り始めるかのような舌打ちをした。
どうやら目的地は病院ではなく大学だったらしい。でも週末の大学に、老夫婦が一体何をしにいくんだろう?

「じゃあ、もう一回乗って下さい。料金は結構ですから」と、ネイビーの帽子を負けじとなでながらご夫婦を手招きする運転手さん。
「今日は週末ですが、大学で何かあるんですか?」と、僕の疑問を代弁するかのようにご夫婦に尋ねた。
「ええ、いや、実は孫の大学を一度見てみたいと思うて」と照れながら笑うベージュのおじいさん。
3人の会話を聞いていると、ご夫婦はどうやら、孫が通う大学を孫には内緒で週末にこっそり見に来た、ということだった。

ご夫婦と運転手さん、そして僕。4人が乗り込んだ大学行きのバスは、「こっそり孫の生活を覗き行く号」に行き先を変えて、車内にはなんとなくほのぼのとした親密な空気が流れた。

大学に着くと早速、ご夫婦はチョモランマでも見上げるような表情で、校舎のあちらこちらを見上げて写真におさめては、そこに孫の将来を写し撮ったかのような満足した確かな笑みを浮かべていた。
人の気配のない週末の校舎はきらきらと雨に濡れていて、大仏様のような荘厳さで、ぽつんと佇む老夫婦を安心させるようかのように、じっとふたりの表情を見下ろしていた。

やがてバスの発車時刻が来て、運転手さんがネイビーの帽子を軽く浮かせご夫婦に別れを告げて走り去る頃、いつの間にか雨はやんでしまっていた。


sketch #2

暮らしの中で聞こえてきた音、思いついた音のスケッチ。
#2をアップしました。







sketch #1

音のスケッチを公開していこうと思います。

暮らしの中で聞こえてきた音、思いついた音、なんとなくつくった音、そんな音のスケッチです。
落書きするようにレコーダーに吹き込んだものなので、曲というよりは音の切れはしです。

思いついたときにちょこちょことアップしていきます。
どうぞ聴いてみて下さい。