(前回のつづき)

同じ高校にS君というテクノ好きの友達がいました。

おしゃれでテクノボーイの彼は、日頃からクイックジャパンやsnoozerといったカルチャー雑誌を読み漁っていて情報に長けていたので、ある日、僕はUちゃん宅で聴いてからずっと気になっていた「Sunny Day Survice」というバンドのことを、S君に訊いてみることにしました。

「ああ、サニーデイね、知ってるよ」と、S君は読みかけていたガロを閉じながら、僕にこう言いました。
「たしかボーカルの人は四国出身で、明治大学の法学部らしいよ」

島国の田舎少年にとっては、四国から東京の大学に行く、ということが衝撃でした。
そしてそれからそんな選択肢もあるのだということを、もんもんと考え始めたのです。
サニーデイ..東京..明治大学..ガロ..
日々もんもんと。


それから淡い高校生活は飛ぶように過ぎ去り、気がつけば大学受験のシーズンになっていました。

その頃、小説家や作詩家に興味があって早稲田大学の文学部を受験しようとしていた僕は、何を思ったか直前で受験する大学を明治大学の法学部に変えてしまいました。
S君に聞いた「サニーデイ」の話がなんとなく頭の中に残っていたのです。

そして無事大学に受かり、僕は東京へ。
これで「サニーデイ」に逢えるかも知れない。

が、僕はこのとき重大なミスをおかしていたことにまだ気づいていなかったのです…

つづく